2009年9月24日木曜日

9月24日横山

タイトル:伝統的建造物群保存地区の選定が周辺地域における建物の外観変更に及ぼす影響に関する研究-近江八幡市八幡伝建地区周辺地域を対象として-
著者:徳勢貴彦 澤木昌典 鳴海邦碩
都市計画論文集 No.38-3 2003年10月社団法人 日本都市計画学会
http://pkawap3.ce.t.kanazawa-u.ac.jp/~urbanplan/all/pdf/2003-38-3-112-667.pdf

内容:滋賀県近江八幡市八幡伝統的建造物群保存地区の周辺地域において、八幡伝建地区選定以降に建築確認申請の提出された建物及びその住民・事業者を対象とし、周辺地域における建物の外観変更行為の実態と住民意識を把握することにより、伝建地区の選定が周辺地域に及ぼす影響を把握し、今後の周辺地域の景観形成に対する知見を得ることを目的とした研究である。研究方法は、現地での建物外観調査とアンケートによって行っている。結論としては伝建地区の周辺地域における外観変更の実態と住民意識について、周辺住民は伝建地区の存在を意識しており、建物も似せていることが判明した。今後の八幡伝建地区の景観を考えていく上での方向性としては伝建地区の景観は周辺地区の目標像となる可能性がある。

感想:今回の論文は、 伝建地区の選定における周辺地域への影響と周辺住民の意識変化について述べている。伝建地区周辺住民は、自分の地区が選ばれていないのにも関わらず、伝建地区を意識し、建造物の外観変更を行っている件数が多いことが分かり、これはまちづくりのおいて重要なことではないかと思った。寺町寺院群が伝建地区に選定されれば、その周辺住民も景観について意識をするようになり、その周辺一体が寺町の雰囲気を損なわない景観になり、より金沢の伝統的な景観を助長する効果が得られるのではないかと思った。しかしながらこのような事例はこの論文の対象地区からのみ得られた結果であるので、その地方の人々の気質等にも影響されると思うので、必ずしもこのような結果が得られるかは疑問である。

0 件のコメント: